フェチらぶ〜再会した紳士な俺様社長にビジ婚を強いられたはずが、世界一幸せな愛され妻になりました〜

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 奏が無事だったことに安堵し、それまで張り詰めていたものが緩んで気を失ってしまった穂乃香が目覚めたのは、おそらく尊が言っていた控え室のようだった。

「……ん? ここは?」

 ――奏さんが無事だとわかった途端ほっとして……。あっ、そうか、あのまま意識を……。

 そこまで思い至り、室内を見渡した穂乃香は、その豪奢さに思わず目を見開く。

 都心でも名の知れたラグジュアリーホテルだけあって、アンティーク調の調度品で統一された広い室内は、あたかも西洋の城内を思わせる気品ある雰囲気に満ちあふれている。

 奏と出会い、初めて過ごしたホテルを彷彿とさせる豪奢な室内を目にし、懐かしさを覚えていた。

 ――奏さんに早く会いたい。

 心の中でそう呟いた時だった。室内に誰もいないと思っていたのに、ふいに聞き覚えのある男性の声が意識に割り込んでくる。

「穂乃香、やっと会えて嬉しいよ」

 その瞬間、寝起きでぼんやりとしていたはずの意識が瞬時に覚醒する。同時に、穂乃香の頭の中で警鐘が鳴り響いた。

 なぜなら、その声の主は、穂乃香の待ちわびていた奏ではなく、元婚約者・正人だったからだ。

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