フェチらぶ〜再会した紳士な俺様社長にビジ婚を強いられたはずが、世界一幸せな愛され妻になりました〜
その声に意識を向けると、穂乃香がいるベッドルームとリビングとのちょうど境となる壁に背を預け佇んでいる正人の姿があった。
「――っ!?」
――ど、どうして正人がここにいるの?
穂乃香が質問を投げかけるよりも早く、ベッドの側まで歩み寄ってきた正人が声を発するのが早かった。
「どうしてここに俺がいるのって顔だな? どうしてって、穂乃香のことが忘れられなくて、会いに来たんだよ。そんな怯えなくても何もしない。ただし、穂乃香が俺とよりを戻してくれるならの話だけどな」
言い放たれた身勝手極まりない言葉に、腹の底から怒りが込み上げる。
――私のことが忘れられなくて、会いに来た、だなんて、よくもそんな心にもないことを! 何を企んでいるのか知らないけど、よりを戻すなんてあり得ない! 死んでも嫌だ!
「はっ!? 勝手なこと言わないで! 私を裏切ったのはあなたのほうじゃない! よりを戻すつもりもないし、用もないわ。今すぐ部屋から出てって! そしてもう二度と私の前に現れないで!」