フェチらぶ〜再会した紳士な俺様社長にビジ婚を強いられたはずが、世界一幸せな愛され妻になりました〜
「悪かったと思ってるよ。反省してる。穂乃香と別れて気づいたんだ。俺には穂乃香が必要なんだって。穂乃香だってそうだろ? 本当は俺のことが忘れられないんじゃないのか? 穂乃香にとって俺が初めての男なんだしさ」
断固として拒絶の意を露わにする穂乃香の鋭い切り返しにも、怯むことなく一方的に身勝手な台詞を並べ立ててくる。
もう何を言っても無駄のようだ。この男には、自分のことしか見えていない。
確かに、交際している時にも、自分の夢ばかり語るところがあったし、いつも穂乃香の話など二の次だったように思う。
穂乃香が気づかなかっただけで、元々こういう男だったのだろう。
あの頃の穂乃香は、幼い頃のトラウマのせいで容姿を偽り、弱い自分を隠すためにデキる女の鎧を纏っていた。
そのせいで、周囲との壁を作ってしまっていた。そんな穂乃香の心の隙間に入り込んできたのが、正人だった。
殻に閉じこもった、恋愛経験のない穂乃香に優しい言葉で近づいてきて、その気にさせることなど容易いことだったに違いない。