フェチらぶ〜再会した紳士な俺様社長にビジ婚を強いられたはずが、世界一幸せな愛され妻になりました〜
「履歴書の写真を見て確信してはいたが。うん、やはりこの香りだ。間違いない。あの夜、君に出会った俺は、君から漂っていたこの芳醇な香りに一嗅ぎ惚れをしてしまったんだ。こんなことは初めてだよ。俺と結婚してくれないだろうか」
茫然自失に陥っていたはずが、穂乃香は不覚にも変態社長の恐ろしいほどに整った麗しい相貌にうっとり魅入ってしまう。
頭の中では警鐘が鳴り響いているというのに、穂乃香は身も心も惹きつけられて瞬きさえも叶わない有様だ。
ふいに暗い影が迫ってきて、変態社長の顔が視界一面に映し出された。
その瞬間、ハッと我に返った穂乃香は目の前の広い胸板を思いっきり突き飛ばした。
これ以上にない拒絶の意を示したのだ。
だというのに……。手のひらに伝わってくる、変態社長の厚く逞しい胸板の感触に、ドクドクと驚きとは違う胸の高鳴りを覚えてしまう。
脳裏には、あの朝見た全裸の男の映像までもが蘇ってくる。