フェチらぶ〜再会した紳士な俺様社長にビジ婚を強いられたはずが、世界一幸せな愛され妻になりました〜
けれどまさか、そんなことまでするなんて夢にも思わなかったため、驚きを隠せない。
――私のせいで、奏さんに危害が及んでいたなんて、そんな……。
ショックのあまり、穂乃香はその場に竦んで動くこともままならない。
そんな穂乃香の身体がぐらりと傾いで、気づいた時には、男によりとさりとベッドに押し倒され組み敷かれてしまっていた。
「といっても、生真面目な穂乃香には旦那を裏切るなんてことできないだろ。だから、俺が手助けしてやるよ。旦那の元に帰れないようにな」
「あなたなんて嫌い! 死んでも嫌っ! 奏さんじゃなきゃ嫌なのっ! 離してっ!」
手足をばたつかせて必死に抵抗する穂乃香を嘲笑うかのように、ニヤリと薄い唇にいやらしい笑みを湛えた男がゆっくりと覆い被さってくる。
たちまち、幼い頃の嫌な記憶が呼び起こされそうになり、思わず目をぎゅっと強く閉ざして身構えた刹那。
「キャッ! いやっ! やめてっ!」
穂乃香が放った悲鳴を掻き消すようにして、突如入り口のドアがバンッ! とけたたましい音を響かせる。
そこに必死な形相で現れた愛しい奏の、これまで聞いたこともないような低い怒声が轟いた。
「そこまでだっ! さっさと穂乃香から離れろッ!」