フェチらぶ〜再会した紳士な俺様社長にビジ婚を強いられたはずが、世界一幸せな愛され妻になりました〜
そんな男のことなど置き去りにして、奏はいつものように柳本に指示を出す。
「柳本、後は頼む」
「はい。畏まりました」
奏が無事に帰ってきたことが嬉しいのだろう。奏から指示を受けた柳本に関しては、いつにも増して張り切っているように見える。
柳本の指示の元、力なく床に項垂れてしまっている男を屈強な男たちが立たせて連れ出してゆく。
男の姿が見えなくなったのを見届けてから、奏の魅惑の美声が穂乃香の鼓膜を甘く震わせた。
「穂乃香、もう心配ない。もし仮に何があったとしても、この俺が穂乃香のことを命に代えても守ってみせる。だから安心してほしい」
はからずも、穂乃香は逞しくも甘い魅惑のバリトンボイスに聞き惚れてうっとりしてしまいかけたが、何とか堪えて声を搾り出す。
「あの、それは嬉しいんですけど。何がどうなっていたのか、説明してくれますか? 〝爆破予告〟がどうとかって。あれ、本当なんですか?」