紳士な俺様社長と離婚前提の契約婚!?
唯一無二の大切な存在
奏と結婚してから二ヶ月後。季節は秋だというのにまだまだ残暑厳しい九月中旬。穂乃香は奏と共に日本を離れて異国の地・ロサンゼルスを訪れている。
だからって、奏の海外出張に第二秘書そして同行しているわけじゃない。今回はビジネス抜きの完全なるプライベートである。
結婚してからも多忙な奏のスケジュールには、まったくといって良いほど空白などなかったので、少し時間が空いてしまったが新婚旅行だ。
しかも期間は一ヶ月。
時間的にも余裕があるので、ロサンゼルスの中でもセレブタウンとして名高い、ビバリーヒルズや中心部に位置するダウンタウンにあるラグジュアリーホテルを一週間単位で渡り歩くという、何とも贅沢なステイホテルのはしごを楽しんでいる。
どのホテルも、さすがはセレブたちがこぞって愛用するだけあり、和洋折衷はもちろんのこと料理のメニューも豊富だし、日頃の疲れを癒やしてくれるスパは充実しているし、リーフトップのプールなど娯楽施設も完備されており、一日中ホテルにこもっていても飽きることはない。
お邪魔虫の柳本も執事として同行しているのが少々残念ではあったが、一応気を遣ってはくれているようだし、奏との新婚旅行なのだ。
嬉しくないわけがない。何ならずっとずっと奏とくっついていたいくらいである。