フェチらぶ〜再会した紳士な俺様社長にビジ婚を強いられたはずが、世界一幸せな愛され妻になりました〜

 奏の言葉に籠められていたのは、奏と心から通じ合ってから幾度も身体を重ねているのに、一向に妊娠の兆しがないことを気に病んでいた穂乃香のことを気遣うものだったからだ。

 これまで気にはしてはいたものの、口にすることがどうしてもできなかった。優しい奏が気遣ってくれるとわかっていたからでもあるし、事実を口にするのが怖かったから。

 あのルールがなくなったとはいえ、大企業を担っていかなければならない立場である奏にとって、後継者問題は避けては通れない重要案件だ。

 ――もしもこのまま奏との子どもを授からなければーー。

 穂乃香がそこまで思考していたところで、再び奏から美声が届いた。

「妙なことだけは考えないでほしい。再会した時にも言ったと思うが、遺伝子レベルで穂乃香に惹かれている俺にとって、穂乃香は唯一無二の大切な存在だ。穂乃香が側にいてくれないと、一日だって生きてなどいけない。もしも俺が死んだら、会社だって多大な損害を被ることになる。だから穂乃香には、死ぬまでずっと俺の側にいてもらわないと困る。たとえ何があろうと。いいな?」

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