フェチらぶ〜再会した紳士な俺様社長にビジ婚を強いられたはずが、世界一幸せな愛され妻になりました〜


 というのも、会長の跡を継ぐには一族間での暗黙のルールがあるそうで、三十五歳までには結婚し後継者をもうけなければならないのだという。

 何でもその昔、年老いてもうけた子ども可愛さに過保護となり、結果として商才のないぼんくら後継者を生み出してしまった。おかげで、経営難に陥って危うく倒産寸前にまで追い込まれたらしい。

  以来暗黙のルールとなっているらしいのだ。

  奏が社長に就任したことで、ますます焦りを覚えた会長からひっきりなしに縁談話が舞い込んでくるわ、ことあるごとに呼び出され結婚はまだかと急き立てられるわで、気の休まる暇もないのだという。

「だがあの夜、穂乃香に出会い一嗅ぎ惚れをしてからというもの、君のことが頭から離れないんだ。これはきっと穂乃香に心から惹かれているからに違いない。穂乃香との出会いは運命としか言い様がないんだ。それを確かめるためにも、俺と結婚してほしい」
「お可哀想でしょう? なので、どうか社長をお救いください」

 終いには、運命という言葉まで持ち出して結婚を迫ってくる社長の援護とばかりに、いつ戻ってきたのか嘆く柳本にまでそう言って泣きつかれてしまう始末。

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