フェチらぶ〜再会した紳士な俺様社長にビジ婚を強いられたはずが、世界一幸せな愛され妻になりました〜


 困惑しきりで苦笑を浮かべたまま引き気味の穂乃香に、大の男が二人して泣きつくという、何とも異様な光景だ。

 気の毒だとは思うが、だからといって了承できるわけがないし、おかしなことに関わりたくない。

 今は自分のことで精一杯なのだからーー

「事情はわかりましたが、いくらお願いされても無理なものは無理です。第一私は社長のことを何も存じ上げません」
「水臭いな。あんなに濃厚な夜を過ごしたというのに」
「あっ、あれは、酔った上でのことですし、記憶だって曖昧ですので」

 キッパリと断った穂乃香に社長は意味ありげに微笑みながら悪戯っぽい口調で、あの夜の情事を仄めかす。その言葉に、何かを思い出しそうになった穂乃香は羞恥を煽られカッと全身を赤らめた。

「ふうん、その割には顔が紅いようだが」
「こ、これは、社長がおかしなこと言うからですッ!」

 穂乃香は社長とのやり取りの中で、あの夜、見かけ同様に紳士だとばかり思っていた男が、変態だったばかりか、意地の悪い性格の持ち主であるのを確信していた。

  そんなタイミングで、穂乃香は社長からある提案を受けることになる。

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