フェチらぶ〜再会した紳士な俺様社長にビジ婚を強いられたはずが、世界一幸せな愛され妻になりました〜

 元彼にも交際前に好意を告げられもしたが、こんな風にあからさまにアプローチされたことなど一度もなかった。

 何よりこんなにもハイスペックな男性と縁がなかっただけに、どうかわせばいいかがわからないのだ。

 なまじ顔が良いのも要因の一つだ。
 オマケに美声という魅惑のオプションまで付いている。

 何でも心理学でも声はその人の印象を決定づける重大な要素で、低い声ほど安心感を与えやすいとされているらしい。

 大企業を背負う社長という威厳故か、社長の声には他者を惹きつける威力と説得力がある。

 そこはかとなく色香まで孕んでいるのだから敵わない。

 それらを駆使したハイスペックな極上のイケメンに、不意打ちでこんなにも熱烈に迫られてしまっては、恋愛ごとに長けてなどいない穂乃香に太刀打ちできるはずがない。

 春の陽光が燦々と降り注ぐエレベーターの四角い箱は、オフィス同様にぐるりとガラスの壁で囲われている。

 特殊な加工のおかげで、紫外線はカットされ外部からも見えない構造になっているらしい。

 見た目は開放的だが閉鎖された空間。すなわち完全な密室だ。

 ――変態社長に何をされるかわかったもんじゃない!

  
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