フェチらぶ〜再会した紳士な俺様社長にビジ婚を強いられたはずが、世界一幸せな愛され妻になりました〜
「あまり干渉されたくはないものですから、父にはまだ知らせておりませんが。それはもう僕には勿体ないほどの、素晴らしい女性ですよ。実は、一月ほど前に運命的な再会を果たしましてね。僕のほうから熱烈なアプローチを重ねて、やっと交際の申し入れを受け入れてもらえました」
そう言って照れくさそうに浅葱に説明する奏は、あたかもドラマの一場面であるかのような、ついうっかり見入ってしまうほどの演技力をお披露目している。
全ては縁談を断るためのお芝居だとわかっていても、なんだか無性に面映ゆい。
「せっかくなので、恋人として改めてご紹介いたしますね。こちらがその素敵な女性である葛城穂乃香さんです」
「こ、今後とも、どうぞよろしくお願い致します」
「おー、なんと、会長よりも先に。それは光栄だなぁ。いやぁ、そうとは知らずに無粋な真似をして悪かったねぇ」
「いえいえ、とんでもない。浅葱社長には、子どもの時分から何かと気にかけて頂いてましたから、僕も嬉しいですよ」
「奏くんは嬉しいことを言ってくれるねぇ。今夜は祝杯といこうじゃないか。ささ、吞もう吞もう」
「ありがとうございます」