フェチらぶ〜再会した紳士な俺様社長にビジ婚を強いられたはずが、世界一幸せな愛され妻になりました〜

 何とか大きな声をあげて助けを呼ぼうにも、しっかりと口を封じられていて敵わない。

 それなら暴れて抵抗しようと、手足をばたつかせるも。

「安心しろ。大人しく言うことを聞くなら危害は加えない」

 ――そんなこと言われたって、安心なんてできるわけないでしょう。バカなの?

 内心でいきまいたところで、低い声でそう言ってきた男に壁に身体を強い力で押しつけられてしまっては、女性である穂乃香の力ではどう足掻いたって無理だろう。

 ここは大人しく従っておいた方が賢明だ。

 早々にそう判断した穂乃香は抵抗の意がないことを相手に知らしめるため、身体から力を抜いて息を潜めた。

 そして相手の出方を待つ。

 どうして穂乃香がこんなにも冷静でいられるかというと、実は、これも想定内だったからだ。

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