フェチらぶ〜再会した紳士な俺様社長にビジ婚を強いられたはずが、世界一幸せな愛され妻になりました〜

 だが社長である奏に秘書として仕えるようになってからというもの、当初抱いていたモノは見事に打ち砕かれてしまっているのも事実。

 マイナス(変態)からのスタートなのだから当然と言えば当然なのだけれど。恋愛小説やコミックスなどに登場するヒーローが不意にヒロインに繰り出してくる、一撃必殺技ともいうべきギャップがくせ者だ。

 加えて、油断すると見蕩れてしまうほど、見た目の良さが際立っているのも難点の一つ。

 欠点を探そうにも、見れば見るほど絵に描いたようなハイスペックぶりを遺憾なく発揮する奏の姿は、目が眩むほどの輝きを放っているため知らず惹きつけられてしまい、毎回失敗に終わる。

 だがそれだけじゃない。

 浅葱との会食があったあの夜、こちらから仕掛けた罠だったにも関わらず、危険な目に遭った際に奏が駆けつけてくれた折、言いようのない安堵感を覚えてしまった。

 自身からお触り禁止だと言っておいて何だが、奏に抱きしめられた際、嫌悪感はまったくなかったし、ほんのちょっぴりだとはいえ、ずっと抱きしめていてほしいなどと馬鹿げた願望を抱いてしまっていたほどだ。

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