フェチらぶ〜再会した紳士な俺様社長にビジ婚を強いられたはずが、世界一幸せな愛され妻になりました〜
料理や洗濯など分担して熟してくれていた一般庶民の樹とは違い、大企業の御曹司なのだ。
身の回りのことは執事がすべて熟していただろうから、できないのは当然だろう。
食事に関しても執事が用意してくれたモノを食していると思っていたのだけれど、どうやらそうではないようで、奏は食に関して想像以上に無頓着のようだった。
仕事にストイックな奏はそれ以外の無駄なものに時間を割かれるのが嫌なようで、私生活は二の次。
食事は一日に必要だとされている栄養を摂取できたらいいとしか思ってはいないらしく、ほぼほぼ外食とサプリメントで済ませていたらしい。
これまでよく身体を壊さずにいられたものだと穂乃香が感心してしまうほどだった。
これまでの奏の仕事ぶりからも何となく予想してはいたが、まさかこれほどだとはーー。
母を亡くし弟と二人、狭いアパートで慎ましやかな生活を送ってきた穂乃香は、少しでも節約しようと自炊を心がけ、外食など二月に一度行けばいい方だった。
料理好きだった母の影響もあって、自炊なんて苦でもなんでもない。
むしろ料理を作っている間は余計なことを考えなくて済むので、ストレス発散に役立っているくらいだ。
そんな背景もあり、今では、食に関して無頓着すぎる奏のために、バランスのとれた食事を用意するのも、食卓を共にするのも当たり前になっている。