フェチらぶ〜再会した紳士な俺様社長にビジ婚を強いられたはずが、世界一幸せな愛され妻になりました〜

 そうして毎回、子どものように無邪気な表情で嬉しそうに「美味しい美味しい」と言って何でも残さず食べてくれる奏の姿に、気づけば和んでしまっている。

 少しずつ少しずつ何かが自分の中で変わりつつあるのを感じている今日この頃。

 同居当初は一体どうなるだろうと不安しかなかったけれど、公言通り、穂乃香とは一定の距離をとり節度ある振る舞いを徹底してくれる奏との生活は想像以上に快適なものとなっていた。

 それもそのはず。これまでは節約生活を徹底してきたのに、大手総合電機メーカーである竹野内グループが手がけた最新式の調理器具からはじまり、ありとあらゆる多機能電化製品が勢揃いしているのだ。

 それを毎日使い放題なのだから無理もない。

 奏曰く、自社製品の品質向上のためには実際に使用するのが一番であるらしい。

 確かにそうだとは思うが、あまりにも快適すぎて怖いほどだ。

 それは電化製品に限らず、高級そうな家具も誂えられた代物のようだし、揃えられた日用品もどれもこれも一級品のモノばかり。

 穂乃香に与えられた部屋にしたってホテルの客室のように無駄に広いし、ウォークインクローゼットはハイブランドの洋服や装飾品で埋め尽くされていて、まるで店舗の陳列棚のよう。

「穂乃香に似合いそうなモノを見繕ってみたんだが、どうだろう? 気に入ってもらえるといいんだが」
「ーーッ!?」

 引っ越し当日、柳本により部屋に案内された穂乃香は照れくさそうに話す奏の隣で、驚きすぎてその場で固まってしまったほどだ。

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