フェチらぶ〜再会した紳士な俺様社長にビジ婚を強いられたはずが、世界一幸せな愛され妻になりました〜

「社長、何だか食欲がないようですが。もしかして、今日は和食の気分ではなかったのでしょうか? でしたらまだ時間もありますし作り直しましょうか」
「いや、その必要はない。悪いがコーヒーだけ頼めるかな」
「そうですか。それではすぐにお持ちしますね」

 元来の生真面目さが功を奏し、あたかも内助の功のごとく働きを見せる穂乃香だった。


***


 穂乃香自身は家政婦のつもりでいるのだが、奏からすれば可愛い新妻にしか見えていない。

 穂乃香と一緒に暮らすようになってからというもの。家に帰るのを心待ちにしている奏は、柳本から事あるごとに。

「もうすっかり新婚さんのようですねぇ」「穂乃香さんも奏様のために尽くしてくれていますし、本物の夫婦になるのも時間の問題ですねぇ」

 などと言われているのもだから、期待感は上昇の一途を辿ってしまっている。

 そんな調子だったものだから、奏自身気が緩んでしまっていたのかもしれない。

 加えて、これまで仕事にストイックなあまり生活面においては無頓着で柳本にすべてを任せてきた奏だったが、リフレッシュも兼ねてジムにも通っていたし、元々身体も頑丈だった。

 大人になってからは体調など崩した覚えもなく、体力面にも体調面においても自信があったのだ。

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