フェチらぶ〜再会した紳士な俺様社長にビジ婚を強いられたはずが、世界一幸せな愛され妻になりました〜

「社長である奏様が最高のコンディションで仕事に臨めるように、体調管理に気を配るのも秘書にとって大事な仕事なのです。いいえ、こんなの基本中の基本ですよ。それを怠るとは秘書失格です。とはいえ、奏様は穂乃香さんにえらくご執心ですから今回は大目に見ますが、二度とこのようなことがないように」
「……本当に申し訳ございませんでした」

それに対して穂乃香は重い口調で謝罪の言葉を返すのが精一杯だった。

 長年執事兼秘書を務めているだけあって、柳本の仕事ぶりには目を見張るものがある。

 奏とのことさえなければ先輩秘書として素直に尊敬していただろう。

 優秀な秘書である柳本から、ここぞとばかりに厳しい口調で責め立てられてしまっては……。

 これまで秘書として培ってきたものすべてを否定されたような心地になってくる。

 元婚約者との件があって以来、これまで以上に仕事を頑張ってスキルを磨こうとしていただけに受けたショックは大きかったのだ。

 ――いくら社長に好きだ何だと迫られた挙げ句、同居する羽目になったからって、仕事をおろそかにするなんて……。秘書失格って言われるのも当然よね。私ってば何やってんだろう。

 柳本にここぞとばかりに厳しく叱責されすっかり打ちひしがれてしまった穂乃香は、元来の生真面目さも手伝って責任を感じてしまっていた。

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