フェチらぶ〜再会した紳士な俺様社長にビジ婚を強いられたはずが、世界一幸せな愛され妻になりました〜
いくら病人とはいえ男性である奏の身体を清拭する際には気まずかったし、目のやり場に困ったけれど、奏ではなく弟だと自分に言い聞かせ何とかやり過ごした。
今朝高熱で倒れたばかりだというのに、奏は元々身体が丈夫なせいか思いの外回復は早そうだ。
とはいえ柳本に指摘されてしまった通り、穂乃香は奏の存在を意識するあまり秘書としての役目を疎かにしていたのは紛れもない事実。
そのせいで無理をしていた社長の様子にも気づけなかったに違いない。
元来の生真面目さがここぞとばかりに顔を出し責任を感じてしまっている穂乃香は、これまで以上に仕事に励もうと休まず看病に徹していた。
すっかり夜も更けた頃には、奏はまだふらつきはするものの食欲もあり、穂乃香が用意した中華粥をいつものようにペロリと平らげるほどの回復ぶりを見せていた。
そのせいか穂乃香が目を離すとすぐに起き上がろうとする。
だが医師にも柳本にもくれぐれも安静にと言いつけられているため、奏が無理をして熱がぶり返しやしないだろうか、と穂乃香は気が気ではなかった。