おともだち
エピローグ
栄司
お互いの心と体がじゅうぶん満足するまで抱き合うと、多江は案の定、
「 でも、だって、私……」
と、言い出した。
「いいって、適当で。セフレん時の初志貫徹しなくていいっての」
「でも……」
多江には生まれた時から多くの見守る目があって、負担に感じるほど構われてきた。恋愛に向いていないと感じてしまうほどだ。構われない過ぎない付き合い(トラウマ)をどうするか?ってのが課題なんだろうなと思う。ちゃんと、付き合うことに向いてないって自己分析をしてるってことは不安なのは俺の気持ちじゃなくて、自分の気持ちだ。
多江が自分で自分の気持ちに自信が無くて、俺を傷つけてしまうんじゃないかって思ってる。俺と同じ気持ちを返せるか。今は返せる。でも、この先それが自分を苦しめ、相手を苦しめるんじゃないかって。
考えすぎ。めんどくさいなぁって思う。思うんだけど、その煩わしさも嬉しいと思うんだから仕方がない。
「あんま言われると、多江は俺の横で楽しくないのかなって寂しくなるけど? 」
「え、楽しい。楽しくなかったことなんて一度も無いよ」
「はは、じゃあ何が問題? 不安になることなんて何も起こってないよ」
「……ほんとうだ。そうだね」
「そうそう。問題はね、過去にしか無くて。どこで間違えたとか何かが駄目じゃなくて、俺じゃないとだめってだけだ」
自信満々で言うと、多江が吹き出した。
「笑うところじゃないんですけどね」
「ごめん、だって。栄司は思っていた人じゃなかったんだもん」
うーん、それはたぶん、誉め言葉だな。多江を後ろから抱きしめると、おもいっきりくすぐった。多江が身をよじって抵抗するのを楽しむ。一時期多江の態度がおかしかったのは、俺を意識し始めたから――。絶対に落としてやるって思ってた。俺に落ちたら、そうだな。めちゃくちゃ大事にする。
この日、俺はセフレから恋人に無事昇級することが出来た。
「 でも、だって、私……」
と、言い出した。
「いいって、適当で。セフレん時の初志貫徹しなくていいっての」
「でも……」
多江には生まれた時から多くの見守る目があって、負担に感じるほど構われてきた。恋愛に向いていないと感じてしまうほどだ。構われない過ぎない付き合い(トラウマ)をどうするか?ってのが課題なんだろうなと思う。ちゃんと、付き合うことに向いてないって自己分析をしてるってことは不安なのは俺の気持ちじゃなくて、自分の気持ちだ。
多江が自分で自分の気持ちに自信が無くて、俺を傷つけてしまうんじゃないかって思ってる。俺と同じ気持ちを返せるか。今は返せる。でも、この先それが自分を苦しめ、相手を苦しめるんじゃないかって。
考えすぎ。めんどくさいなぁって思う。思うんだけど、その煩わしさも嬉しいと思うんだから仕方がない。
「あんま言われると、多江は俺の横で楽しくないのかなって寂しくなるけど? 」
「え、楽しい。楽しくなかったことなんて一度も無いよ」
「はは、じゃあ何が問題? 不安になることなんて何も起こってないよ」
「……ほんとうだ。そうだね」
「そうそう。問題はね、過去にしか無くて。どこで間違えたとか何かが駄目じゃなくて、俺じゃないとだめってだけだ」
自信満々で言うと、多江が吹き出した。
「笑うところじゃないんですけどね」
「ごめん、だって。栄司は思っていた人じゃなかったんだもん」
うーん、それはたぶん、誉め言葉だな。多江を後ろから抱きしめると、おもいっきりくすぐった。多江が身をよじって抵抗するのを楽しむ。一時期多江の態度がおかしかったのは、俺を意識し始めたから――。絶対に落としてやるって思ってた。俺に落ちたら、そうだな。めちゃくちゃ大事にする。
この日、俺はセフレから恋人に無事昇級することが出来た。