おともだち
『私、誰かと付き合うの向いてないって気づいちゃって。でも、恋愛はしたくて。毎週必ず会うとか、記念日は二人で過ごすとかそうじゃなくて、私のタイミングで側にいて欲しい時だけ会いたいなって。そんな自分勝手な扱いを恋人には出来ないでしょ。でも私が望むお互いに期待しない関係が“セフレ”という形なら実現するのかなって』
確か、セフレを求めた理由はこう伝えたはずだった。それなのに結構会ってるじゃん――ってこと。指摘されてうつむいてしまった。
「いや、責めてない、責めてない。単純に俺に気を使って会おうって言ってくれてんのかなって思っただけ。つまり……無理してない? ってこと」
「う、うん。全然無理してないよ。ちゃんと私が会いたいタイミングで連絡してる」
「それならいいんだけど。この前誘ってくれたの平日だったじゃん? それを俺のタイミングで今日に変えちゃったし、今日は気分じゃない、とかない? 」
「え、えええ、そんなことないよ。そうなら断ってるし。私、そんなにわがままじゃな……」
信号待ち、いつの間にかこちらを向かれていて、逆光の中、宮沢くんの顔は柔らかな明るさで照らされ、優しい表情に息をのむ。
「ない」
「はは、何それ。何で1回区切ったんだ」
幸い車は動いてくれて、私は彼の視線から逃れられた。
「いえ、何となく? 」
あなたの表情に見とれていたからです、とも言えず、レモンティーを飲み下す音すら恥ずかしくてちびちび飲んだ。だめだ、喉が渇く。
「そっか。じゃあ、今日は俺に会いたかったってことでいい? 」
こちらに顔を向けて目を細める彼に、私は目を見開き赤くなった顔を逸らすことしかできなかった。
「し、信号、停まりすぎじゃない? 」
「あーそうそう。ここ一本道だから、1つ引っかかったらずーっと引っかかる。でも、ここの信号は比較的時間が短い。……俺がそう感じるだけかもしれないけど? 」
にこり笑う彼に、私も精一杯笑顔を返した。
いや、これ笑うので精一杯だわ。
確か、セフレを求めた理由はこう伝えたはずだった。それなのに結構会ってるじゃん――ってこと。指摘されてうつむいてしまった。
「いや、責めてない、責めてない。単純に俺に気を使って会おうって言ってくれてんのかなって思っただけ。つまり……無理してない? ってこと」
「う、うん。全然無理してないよ。ちゃんと私が会いたいタイミングで連絡してる」
「それならいいんだけど。この前誘ってくれたの平日だったじゃん? それを俺のタイミングで今日に変えちゃったし、今日は気分じゃない、とかない? 」
「え、えええ、そんなことないよ。そうなら断ってるし。私、そんなにわがままじゃな……」
信号待ち、いつの間にかこちらを向かれていて、逆光の中、宮沢くんの顔は柔らかな明るさで照らされ、優しい表情に息をのむ。
「ない」
「はは、何それ。何で1回区切ったんだ」
幸い車は動いてくれて、私は彼の視線から逃れられた。
「いえ、何となく? 」
あなたの表情に見とれていたからです、とも言えず、レモンティーを飲み下す音すら恥ずかしくてちびちび飲んだ。だめだ、喉が渇く。
「そっか。じゃあ、今日は俺に会いたかったってことでいい? 」
こちらに顔を向けて目を細める彼に、私は目を見開き赤くなった顔を逸らすことしかできなかった。
「し、信号、停まりすぎじゃない? 」
「あーそうそう。ここ一本道だから、1つ引っかかったらずーっと引っかかる。でも、ここの信号は比較的時間が短い。……俺がそう感じるだけかもしれないけど? 」
にこり笑う彼に、私も精一杯笑顔を返した。
いや、これ笑うので精一杯だわ。