おともだち
宅飲みする食料と酒を買い込んで俺の家に到着する。
多江は俺の部屋で控えめに腰掛け、控えめに視線を巡らせていた。
「わぁ、宮沢くんのお家って感じ」
俺が視線で抗議すると
「わぁ、栄司のお家って感じ」とまんま言い直した。思わず、ふっと吹き出す。
「わぁ、から言い直さなくても」
「あ、そ、そうだね」
ふと、多江の中の俺のイメージを思い出し尋ねる。
「俺の家って、どんな感じよ」
「えー……っとスタイリッシュで、シンプルで、あまり物とか場所とかに固執しない感じ。いつでも引っ越せそうな……」
途中で褒めてないかもしれないって気づいたのか視線を彷徨わせている。おかしくなってきて、ちょっと腹も立って、複雑な心境でからかうことにした。焦った顔、かわいいから。
「へぇ、固執ね。あまり物とか場所とか、んー、人とか? 固執しないかもしれないねぇ」
すっと顔を近づけてそう言うと、真っ赤になって取り繕うとする。
「違う、その、イメージで。そんなイメージだったんだけど、今はだんだん変わってきて、生活感出てなくていいね。綺麗だし、シンプルな部屋は掃除がしやすくていいねっ! 」
……これを見逃さないテはなくて。
「ふん? 今は、どう思ってんの」
腕を組んでちょっと圧をかけて返事を待つと
「良い人だって思ってる。優しいし。そんな冷たい人ではないかなって」
「具体的に? 」
「何も考えずに割り切った関係を出来るような人じゃ……ない? かな」
「ふん……。ま、いいでしょう」
及第点だ。割り切った関係が出来るような人じゃない俺とのこの関係はどういうつもりなんだって、考えてみたらいいと思う。今日のところはこれで勘弁してやるか。……悩めばいい。
多江は俺の部屋で控えめに腰掛け、控えめに視線を巡らせていた。
「わぁ、宮沢くんのお家って感じ」
俺が視線で抗議すると
「わぁ、栄司のお家って感じ」とまんま言い直した。思わず、ふっと吹き出す。
「わぁ、から言い直さなくても」
「あ、そ、そうだね」
ふと、多江の中の俺のイメージを思い出し尋ねる。
「俺の家って、どんな感じよ」
「えー……っとスタイリッシュで、シンプルで、あまり物とか場所とかに固執しない感じ。いつでも引っ越せそうな……」
途中で褒めてないかもしれないって気づいたのか視線を彷徨わせている。おかしくなってきて、ちょっと腹も立って、複雑な心境でからかうことにした。焦った顔、かわいいから。
「へぇ、固執ね。あまり物とか場所とか、んー、人とか? 固執しないかもしれないねぇ」
すっと顔を近づけてそう言うと、真っ赤になって取り繕うとする。
「違う、その、イメージで。そんなイメージだったんだけど、今はだんだん変わってきて、生活感出てなくていいね。綺麗だし、シンプルな部屋は掃除がしやすくていいねっ! 」
……これを見逃さないテはなくて。
「ふん? 今は、どう思ってんの」
腕を組んでちょっと圧をかけて返事を待つと
「良い人だって思ってる。優しいし。そんな冷たい人ではないかなって」
「具体的に? 」
「何も考えずに割り切った関係を出来るような人じゃ……ない? かな」
「ふん……。ま、いいでしょう」
及第点だ。割り切った関係が出来るような人じゃない俺とのこの関係はどういうつもりなんだって、考えてみたらいいと思う。今日のところはこれで勘弁してやるか。……悩めばいい。