偶然?必然?運命です!
クラスメイトの人数は30人。
私をいれて31人。
男子、16。
女子、15。
全ての視線が突き刺さる。
あ、違った。
岸井くんは全く興味なしって感じであくびをしてる。
岸井くんがどこに座っているかは、入ってすぐに確認済みだ。
隣は空席。
隣の席になれる可能性大!!
キャーーッ!!
しかしいつものこととはいえ、この視線は好きではない。
値踏みーー。
これが一番しっくりくる。
仲良くなれるかー。
敵かー。
恋愛対象かー。
様々な視線。
「月城」
「はい」
先生に呼ばれ一歩前に出る。
堂々と。
舐められないように。
そしてニッコリと微笑む。
わざとらしく見えないように、警戒されないように無邪気にニッコリと。
可愛い〜、なんて
良いじゃん、良いじゃんなんて声が聞こえてきたり。
ありがとう。
でもそれはぜひとも岸井くんに言ってほしい!!
皆を見る振りをして、岸井くんを見るも……
机に突っ伏して寝てた。
う”う”う”う”う”う“ぅ”……。
私に興味がないと……?
でもそこが良い!!
岸井くんが同じ空間に居る。
それだけでこんなにも嬉しく楽しい。
「月城玖遠です。心臓に毛が生えてるわけではなく……緊張して眠れず、寝れたと思ったら……寝坊してました」
そこまで言うと、岸井くんの肩がピクリと揺れる。
“それ、嘘だろ”って思ってることでしょう。
昨日の事もあるし。
それに……うん。
緊張している人はリュックを放り投げ、塀を飛び越えたりはしないだろう。
本当に……なんてとこを見られたんだろう……。
私のバカッ。
「皆さんと楽しい高校生活を送っていきたいです。よろしくお願いします」
そう言って私は頭を下げた。