叱られた冷淡御曹司は甘々御曹司へと成長する

 「由花さん。玖生のことですけど、何か聞いてますか?」

 「いえ、何も。何かあったんですね?」

 「というと、心当たりがあるのかしら?」

 「一昨日の夜少しお目にかかりましたが、様子が少し変でした。心配していたんです」

 「……そう。私はあなたと孫を引き合わせました。知り合って半年以上経つけど、あの子はどうですか?」

 まっすぐこちらを射貫くような目でご覧になる。聞きたいことはすぐにわかった。
 
 「最初の時が嘘のように親しくさせて頂いています。祖母の病気がわかったときもたまたま側にいてくれて、頼ってしまいました。優しくして下さって申し訳ないほどです。また、お仕事のときの指示も的確です。受付やお花のお仕事を一緒にさせてもらってすぐにわかりました」
< 165 / 280 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop