運命の恋を、君と…
相思
二人が同棲を始めて、一ヶ月が経った━━━━━━

「━━━━おはよ、蓮花!」
蓮花が朝食の準備をしていると、俊英が起きてきた。
「おはよう!」

「んー!蓮花~」
後ろから抱きついてくる、俊英。

「もう(笑)
料理しにくいよ!
ほら、もう出来るから!
顔洗っておいで?」

「んー、もうちょい!」
頬をすり寄せ、頬やこめかみにキスを繰り返す。

毎朝の事だ。



「━━━━俊英、今日7時に駅前だよね?」
「ん!
頼むな!
俺は仕事終わってそのまま行くけど、蓮花は?」

「私は、一度帰って着替えて行く!」

今日は、俊英の父親と会う約束をしているのだ。

朝食後、準備をして駅まで一緒に向かう。
乗る電車が違うため、二人は駅で別れる。

「じゃあな!」
「うん!」

蓮花が小さく手を振ると、俊英が蓮花の頭をポンポンと撫でて別れた。



「━━━━どう?
同棲一ヶ月は」
御子が、声をかけてくる。

「夢みたい……!
幸せ過ぎて、不安になるくらい…(笑)」

「そっか(笑)
…………蓮花、お昼はお弁当?」
「うん」

「じゃあ、私は食べてくるね!」
「うん!ごゆっくり!」

「たまには、一緒にランチ行こ?」
「うん。
でも俊英が、お弁当凄く喜んでくれるんだよね(笑)」

「フフ…もう!ノロケ~?
まだランチしてないのに、ご馳走さま!(笑)」

「フフ…」


事務所で一人、弁当を食べている蓮花。
「………」

シンと静まり返っている。

「俊英、何してるかな?
ランチ中?
仕事?
電話……は、しない方がいいよね……
仕事中だったら、悪いし…
……………
メッセージ…入れ……あ、でも……仕事の邪魔しちゃダメだよね……
…………いいや!
仕事終わったら会えるんだし!」

一人でぶつぶつ言っている蓮花。

そんな蓮花に…………

「すみませーん……」

「へ!!?
び、びっくりした……」
入口に、男性が立っていた。

「すみません。
何度か声はかけたんですが……」

「あ、こっちこそ、すみません!!
えーと……郵便ですよね?」

男性は配達員で、何度も蓮花に声はかけていたようだが、蓮花は独り言を言いながらボーッとしていたので全く耳に入っていなかったのだ。
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