運命の恋を、君と…
「はい!
いつもご苦労様です!」
サインをして、荷物を受け取る。

(う…お、重い……)
受け取った段ボールが思いの外重く、思わず眉間にシワが寄る。

「大丈夫ですか!?
何処に運ぶんですか?」

「え?」

「かなり重いし……」

「あ、す、すみません。
えーと…コピー機の前に……」
「はい」

「━━━━ありがとうございました!
助かりました!」
ペコリと頭を下げる。
そして微笑むと、男性が顔を赤らめた。

「じゃあ、俺は……」

「はい!
…………あ!ちょっと待ってください!」
「え?」

蓮花はパタパタと冷蔵庫に向かい、ペットボトルのお茶を出した。
「これ、どうぞ?」

「あ、す、すみません」

「最近、暑くなってきましたもんね!」
「そうですね。
これ、ありがとうございます」


そして一方の俊英━━━━━━━━

「相変わらず、旨そうだね!」
一心が、俊英の弁当を見ながら感心したように言った。

「あぁ、スゲー旨いよ!」

「ノロケ~?(笑)」

「うるせぇよ」

「ねぇ、なんか一つちょうだい」

「は?嫌」

「ケチ!」

「だからぁ!うるせぇ!!」

「…………
唐揚げ、もーらい!!」
唐揚げを一つ取って頬張り、一心が喫煙室に向かっていった。

「あーー!!!?一心!!
………ったく…せっかく蓮花が俺のために作ってくれたのによ……」
呟くように言って、味わうように食べるのだった。

弁当を食べ終わり、煙草を吸いに喫煙室に向かう。

「あ、一心くんだー」
まるで、棒読みのように呼ぶ。

「まだ唐揚げ怒ってんのー?
ほらほら、煙草!吸いに来たんでしょ?」
煙草を一本渡し、火をつけようとする。

「チゲーよ!
一心くん。俺、ブラックコーヒー飲みたいなー」

「はいはい。
買ってくりゃあいいんでしょ?
…………唐揚げくらいで、ちっちゃい男…」
ポツリと嫌みを言いながら、喫煙室を出た。

「あ?なんか言った?一心くん」
「何も~」

一心が出ていき、俊英はスマホを取り出した。

「蓮花から連絡きてる……わけねぇか……(笑)
蓮花は、俺の声聞きてぇと思わねぇのかな?」

ポツリと呟き、スマホ画面を見つめていた。
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