運命の恋を、君と…
我慢
「あー、ほんと腹減ったー
なんかない?」

「じゃあなんか作ろうか?
俊英、何も食べてないの?」

「いや、合間にコンビニのおにぎり食っただけ」

「そっか!
なんか、スープでも作るね!
着替えて、お風呂入ってきなよ!」
キッチンに向かいながら言う。

「ん。サンキュ!」
「あ!スーツ、そこ置いておいて!
消臭スプレーしとく」

スープを煮込みながら、ソファの背にかけられたジャケットにスプレーをかけようと手に取る。

煙草の臭いに混じって、俊英の匂いがした。

思わず、クンクンと嗅いでしまう。
「ずっと嗅いでたい……
……………って、何やってんだろ…私…(笑)
消臭、消臭」

消臭スプレーをかけようとして、ジャケットを広げる。

「………」
無言でジャケットを羽織った。

「………フフ…大きすぎ!(笑)
コートみたい!
でも……」
(抱き締められてるみたいで、幸せ……/////)

蓮花はジャケットを羽織ったまま、自分自身を抱き締めた。


「━━━━何やってんの?(笑)」
背後から、俊英の声が聞こえてきた。

「え!?
あ!いや!こ、これは……/////」
振り向くと、上半身裸にタオルを首に巻いた俊英が腕を組んで立っていた。

「はぁ…」

(う、嘘…呆れてる……)

「ほら!おいで?」
両手を広げて微笑む、俊英。

「え?」

「抱き締めてほしいんだろ?
だから、おいで?」

「俊英…/////」
蓮花は、駆け寄り抱きついた。

「素直に言えよ!」
「うん/////」


それから俊英がスープを食べている間、今度こそスプレーをふっていた蓮花。

「ん?俊英、お財布!」
「んー、あー内ポッケに入れてた」

「結構古いね(笑)」
「そうなんだよ(笑)
買おう、買おうと思って忘れちまうんだよなぁ(笑)」

蓮花は、心の中でちょうど良かったと喜んでいた。
(よし!この分なら、喜んでくれるよね?
時間かかるって言ってたけど、まぁ…今週中には届くかな?
………………
………ん?届く?)

「あ!!」

「は?どうした!?急に」

「え?あ、う、ううん!」
(届くってことは“あの”配達員さんが来るってことじゃん!)
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