運命の恋を、君と…
その日の夜更け。

俊英に包み込まれるように横になっている蓮花。
いつもの、二人の寝るスタイルだ。

俊英がいつも頭を優しく撫でてくれ、その心地よさを感じながら眠りにつく。

が!
今日は、全く寝れずにいた。

頭の中は、あの配達員が届けに来ることでいっぱいだったからだ。

少しずつ俊英の頭を撫でる手がゆっくりになって、パタンと止まる。

ゆっくり頭を上げると、俊英は眠っていた。

「綺麗な寝顔…/////」
しばらく見惚れて、また悶々と配達員のことを考えていた。

「どうしよう……
取りに行くって言えば良かった…
よし!明日、お店に連絡しよう。
昨日の今日だし、間に合うよね……?」


夜が明けて、いつも通り駅で俊英を別れる。

(10時に開くから、昼休みに連絡しよう!)

しかしこんな日に限って、弁当を食べる暇もない程忙しくなり、あっという間に夕方になったのだ。
仕事終わりに、急いで電話をかける。

「━━━あ!私、昨日そちらで財布とキーケースを購入した、水原と申します。
イニシャルを入れて、自宅に届けてもらうようにお願いしてたんですが、やっぱり出来上がり次第そちらに取りに行くようにしたいのですが……」

『そうなんですね。
少々、お待ちください。
ただいま、確認しますね!』

しばらく待って、店員が電話に出る。
『申し訳ありません。
たった今、お届けしたみたいなんです』

「え!?そうなんですか!?」
(昨日の今日で!?時間かかるって言ってたじゃん!)

『ですので、明日には届くかと……』

「わかりました」


心なしか、落ち込んだように帰路につく。
そしてやっぱりマンション前に、配達員がいた。

思わず後ずさる。

「お疲れ様です!」
微笑み、駆け寄ってくる。

「お疲れ様です…」
蓮花は、会釈をして去った。

「はぁはぁ……」
エレベーターに乗り込み、肩で息をする。

自宅に着き、鍵を鍵穴にさす。
「開いてる…
俊英、帰ってきてるんだ」

であれば、呼吸を整えて入らなければならない。
蓮花は中に入る前に、鏡で自身の顔を確認する。

「よし!顔、引きつってない!」
自身の気合いを入れて、中に入った。

「ただいま!」
「おかえり!」

「ん?カレー?」
俊英は、キッチンでカレーを作っていた。

「おぅ!たまには、俺が作ろうと思ってな!」

「フフ…ありがとう!
あ!プレゼン、上手くいった?」

「バッチリ!」
親指を立てて微笑む、俊英。

「そっか!良かったね!
…………俊英」
蓮花も微笑み、何故か胸がきゅっと痛んだ。

「んー?」

「ギュッてしていい?」
蓮花は、俊英を見つめ言った。
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