結婚直後にとある理由で離婚を申し出ましたが、 別れてくれないどころか次期社長の同期に執着されて愛されています
甘えるようにこつんと軽く、彼に自分の肩をぶつける。

「べ、別に。
俺は純華が、心配なだけだ」

ぽりぽりと頬を掻く、矢崎くんの耳は赤くなっていた。

矢崎くんが少し休憩させてくれたおかげで体力も復活し、それからもバリバリと動く。

「ねえ!」

水分補給と休憩を兼ねてきた控え室で、お弁当を食べていた営業部の男子三人を見つけて近づく。

「軽い熱中症だって聞いたけど、大丈夫?」

私の問いになぜか、三人が顔を見合わせる。

「熱中症?
誰がですか?」

代表するようにその中のまとめ役っぽい子が怪訝そうに質問を返してきた。

「えっと。
きぐるみに入ってくれてた子が軽い熱中症になったって矢崎課長が言ってたけど?」

どの子かはわからないが矢崎くんは〝うちの若いの〟と言っていたので、この三人の誰かで間違いないよね?
なのになんで、彼らはこんなに、不思議そうなんだろう。

「あー……」

長く発したあと、また三人が顔を見合わせる。
そしてなぜかおかしそうに笑いだした。

「もしかしてきぐるみに入ってたヤツが熱中症になったから代わった、とか言われたんですか?」

「そうだけど……」

もしかして、違う?
でも、聞き間違ったりしていないはずだ。

「それ、違いますよ」

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