結婚直後にとある理由で離婚を申し出ましたが、 別れてくれないどころか次期社長の同期に執着されて愛されています
それで胸が、温かいもので満たされていった。

「紘希……。
ありがとう、最高のサプライズだよ」

こんなにも紘希が、私のことを考えてくれているなんて思わなかった。
私、本当に素敵な人と結婚したんだな。

「その。
純華、結婚おめでとう。
家族に迷惑かけっぱなしの僕から祝われても嬉しくないだろうけど」

ぼそぼそと父が話す。
ひさしぶりに会う父は、一回り小さくなった気がした。
それだけ、苦労をしたのだろう。

「なに言ってんの。
お父さんに祝われるのが、最高のお祝いだよ。
それにお父さんは、私の誇りなんだから。
私たちに引け目なんて感じる必要はないんだよ」

父が私たちになんの相談もしてくれなかったのは淋しかったが、それでも自分の一生を棒に振るのに、あんな決断をした父が誇らしかった。
お父さんはこの世の誰よりも優しい人だ。
そう思っていたけれど、誰にも言えなくて苦しかった。
でも、今は紘希がわかってくれている。

「純華……」

父の目が潤んでいく。
でも、泣くのは今じゃない。

「ほら、私はいいからさ。
お母さんに謝んなよ。
今まで淋しい思いをさせてごめん、って」

いつの間にか紘希が連れてきてくれた母が、入り口に立っていた。

「あなた……」

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