結婚直後にとある理由で離婚を申し出ましたが、 別れてくれないどころか次期社長の同期に執着されて愛されています
私はいったい、なにを見落としている?
自分には子供はいないが、友達の子供を連れていったと想定して考え直した。

「ああ、そうか」

ベビーカーで入るには、段差が多い。
スロープもあるが、遠回りしてもらわなければならない。
これではベビーカーの人はもちろん、車椅子の人も困るだろう。

「スロープの位置を見直して……」

解決策が見えればあとは簡単だ。
私はマウスを操作し、新しい会場案を作っていった。

終業時間までに今日やってしまわないといけない仕事を終わらせ、加古川さんの仕事に手をつける。
手つかずの資料をまとめ、請求書の下書きも作った。

「純華ー」

加古川さん用に伝達事項まとめを作っていたら、矢崎くんが迎えに来た。
ちゃんと私の仕事が終わる頃を見越してくるあたり、さすがだ。

「もう終わるから」

「うん、そこで待ってるな」

「うん」

彼が休憩コーナーを指す。
それに頷き仕事を速攻で終わらせる。

「お待たせ」

「いや、いい」

一緒に裏口から会社を出る。
部署に残っている人間はもういなかった。

「夕食、どうする?」

「あー、そうだね……」

今度こそ、離婚の話をしなければならない。

「あそこの居酒屋、行こうか」

たまに行く、個室の居酒屋を提案する。

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