結婚直後にとある理由で離婚を申し出ましたが、 別れてくれないどころか次期社長の同期に執着されて愛されています
「純華、集中してて全然気づかないんだもんなー」

「うっ」

それは……そう、かも。

「どうしたの?
矢崎くんも休日出勤だったの?」

今朝、家を出るとき、なにも言っていなかったが。

「いや?
純華の仕事、手伝おうと思って」

にかっと笑って隣の椅子に座り、彼がパソコンを立ち上げる。

「えっ、そんなの悪いよ。
それにいろいろまずくない?」

営業部の彼がイベント企画部の手伝いをするとか。

「んー?
仕事重なってる部分多いし、事務処理なら問題ないだろ。
それに仕事が明日にまで持ち越して、純華のお母さんに紹介してもらえなくなったら大変だからな」

大真面目に矢崎くんは頷いていて、ちょっとおかしくなってくる。

「そう、だね。
じゃあ、お願いします」

実際、仕事が回っていないのは事実だ。
ありがたく、手伝ってもらおう。
もし、上司になにか言われたら、そのときはこの件について改めて話をするきっかけになるかもしれない。

「おう、任せろ。
なにからしたらいい?」

「じゃあ……」

それに、矢崎くんとふたり並んで仕事をするなんて、ちょっと新鮮でどきどきした。

矢崎くんのおかげで仕事はかなり速く終わった。

「ありがとー、助かった!」

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