バイバイ、リトルガール ーわたし叔父を愛していますー
航の幸せ
桔梗がいなくなり、すみれと航だけの二人暮らしが始まった。

航はあの夜のことなど忘れたかのように、今まで通りすみれに接していた。

すみれの作った食事を一緒に食べ、たわいもないことを話しては笑い合った。

すみれは21歳、航は36歳を迎えていた。

航への告白を受け入れてもらえなかったすみれは、それでも楽観的にこう考えていた。

女として愛されることがなくても、このままこの家で航とふたりで穏やかに寄り添って生きていけるのではないかと。

すみれはそれでも十分に幸せだと思っていた。

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