光の行く末は【転生したら、魔王の側近でした×アテナ・イェーガーシリーズ】
「久しぶりに、町に来るな……今日も賑やかだなぁ」

異世界で暮らす魔法使いと不思議な出会いをしてから数か月が経った。

とある森の中にある館で暮らす魔王クラル・ディスペアの側近、ルーチェ・クロウディアは、森の近くにある町まで来ていた。

ルーチェの友だち、アーサー・ウィリアムズとティム・ラファールと一緒に任務に行くためである。

ルーチェたちは冒険者育成学校を卒業し、ルーチェは今までの生活に戻り、剣術士のアーサーと司祭のティムは2人で任務に行っている。

「ごめん。待たせた!」

待ち合わせの場所にはもうアーサーとティムはおり、2人の姿を見つけたルーチェは2人に向かって走った。

「待ってないよ。僕らも今来たところ」

ティムは、そう言って微笑む。アーサーは「よし、さっさと任務を終わらせるか!」とルーチェの肩に手を乗せる。

「うん。そうだね」

ルーチェは2人に向かって微笑むと、歩き出した2人の後をついて任務先へと向かう。

「知ってるか?この町のどこかに封印されている呪具が消えたんだって」

「ただの噂でしょ?そもそも、呪具なんてものは存在しないでしょ。習ったとはいえ、実物なんて見たことないし」

歩いていたルーチェの耳に、そんな会話が入ってルーチェはふと足を止めた。

「……ルーチェ、どうした?」
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