光の行く末は【転生したら、魔王の側近でした×アテナ・イェーガーシリーズ】
それから、数日後。今日は、いつもよりも騒がしい。なぜなら――。
「ルーチェさん!」
ルーチェの自室のドアが開いて、ロネが顔を出す。本を読んでいたルーチェは、顔を上げてロネの方を向いた。
今日から数日間、ロネたちはクラルやルーチェの暮らす館で泊まることになったのだ。
「ルーチェさんの魔法、見てみたいです!」
「……分かった。庭に移動しようか」
読んでいた本を閉じて、ルーチェは立ち上がるとルーチェの背丈ほどある杖を片手に庭へと向かう。
「なかなかいい勝負だったな。次は負けないからな!」
「こちらこそ。色々と勉強になった」
ルーチェが庭に出ると、ネイサンとアーサーが剣を片手に向かい合っているのが見えた。2人はどこか楽しそうで、ルーチェは微笑む。
ティムはナタリーとゾーイと世間話をしており、それを見たロネはモヤっとする。
しかし、ゾーイが楽しそうにしているのを見て、ロネは楽しそうだから、いっか!と考えることにした。
「ロネさん、まずはこの世界の魔法について説明するね」
そう言って、ルーチェはロネに説明を始める。ロネは、それを真剣に聞き始めた。
こうして、穏やかなお泊まり会が始まる――。