臆病な私の愛し方
 私はテイキさんに強い力で、カバンごと外に追い出されてしまった。

 もう遅い。
 テイキさんは人に離れていかれるのが何よりも嫌いだと分かっていたのに…もっと早く説明すれば良かったのに…

 私はとうとうテイキさんに愛想を尽かされてしまった。
 しっかり初めの頃にテイキさんに相談しなかった私の自業自得。

 きっともうテイキさんは私を許してはくれない。

 あの優秀だという部下の人では、テイキさんのことが知れるのはきっと時間の問題だった。
 それならテイキさんは巻き込まれずに済んだということ。

 私はそう自分を納得させようとした。

 幸い今まであの人が、私の家のすぐ前まで来たことはない。直接の連絡もない。
 それならきっといつか私を諦めてくれる。
 もしさらにエスカレートしたら警察に言おう。

 いつまで掛かるかわからないけれど、きっとそれまでの辛抱…


 私は学校とアルバイト先に連絡し、しばらく行けなくなると謝りの電話を入れた。

 そしてテイキさんとの別れを実感し、家にひっそり引きこもったまま泣きながら過ごした。
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