御曹司くんには婚約者がいるはずでは!?
「それがさ・・・・・・・・・、秘密なんだわ」
「は?」「えぇ?」
訳の分からないのんちゃんに、私と加瀬くんは同じようなリアクションをとった。
その時、
ガタッと後ろの方で大きな音がして、そちらを見ると、氷上くんが席から立ち上がっていた。
パチッと合う視線。
でも氷上くんはすぐに逸らし、教室の後ろから出て行った。
「おい、琳凰〜」
そのあとを結城くんが追いかけて行く。
どうかしたのかな。
喧嘩・・・?
じゃないといいけど・・・。
「マジか。もう100%そうじゃん」
氷上くんが出て行った方を見てのんちゃんがなんか言ったけど、ちゃんと耳に入って来なかった。