初心な人質妻は愛に不器用なおっさん閣下に溺愛される、ときどき娘
寂しい思いをさせてしまったのか。
やはり父親だけでは満たされなかったのか。
瞬間的に、さまざまな思いが、イグナーツの頭を支配し始めた。
「エルシーもお母さまと仲良くなれますか?」
まだ居ぬ母親に、彼女は想像を広げている。
イグナーツは失敗したと思っていた。完全に裏目に出た。イグナーツは、彼女が拒むと思っていたのだ。
二人の家族に割り込む他人。それを嫌がるだろうと勝手に思っていた。
「そうだな。お母さまはエルシーと仲良くしたいと思っているよ」
イグナーツですら目にしたことのない彼女を、勝手に美化して口にした。エルシーの期待を裏切りたくない。となれば、彼女の「新しいお母さま」をこの屋敷に連れてこなければならない。
「お父さまは、新しいお母さまと結婚式をするのですか?」
エルシーに聞かれ、はっとする。
幻の王女をエルシーが母親として望むのであれば、この屋敷に受け入れようと思っていたが、結婚式をどうするかまでは考えていなかった。その辺はあの王と相談しなければならないだろう。むしろ、彼のことだから勝手に決めている可能性もある。
エルシーの瞳は期待に満ちて、きらきらと輝いていた。結婚式に憧れる年頃なのだろう。
「それは……。俺も若くないからなぁ。まずは一緒に住んでから、お母さまの意見を聞いてから考えるというのはどうだろう?」
「わかりました。でも、お母さまも結婚式をしたいと思います。エルシーも結婚式をしたいです」
後方から熱い視線を感じた。チラリとそこに目を向けると、パトリックがニヤニヤと口元を歪めながら立っていた。
やはり父親だけでは満たされなかったのか。
瞬間的に、さまざまな思いが、イグナーツの頭を支配し始めた。
「エルシーもお母さまと仲良くなれますか?」
まだ居ぬ母親に、彼女は想像を広げている。
イグナーツは失敗したと思っていた。完全に裏目に出た。イグナーツは、彼女が拒むと思っていたのだ。
二人の家族に割り込む他人。それを嫌がるだろうと勝手に思っていた。
「そうだな。お母さまはエルシーと仲良くしたいと思っているよ」
イグナーツですら目にしたことのない彼女を、勝手に美化して口にした。エルシーの期待を裏切りたくない。となれば、彼女の「新しいお母さま」をこの屋敷に連れてこなければならない。
「お父さまは、新しいお母さまと結婚式をするのですか?」
エルシーに聞かれ、はっとする。
幻の王女をエルシーが母親として望むのであれば、この屋敷に受け入れようと思っていたが、結婚式をどうするかまでは考えていなかった。その辺はあの王と相談しなければならないだろう。むしろ、彼のことだから勝手に決めている可能性もある。
エルシーの瞳は期待に満ちて、きらきらと輝いていた。結婚式に憧れる年頃なのだろう。
「それは……。俺も若くないからなぁ。まずは一緒に住んでから、お母さまの意見を聞いてから考えるというのはどうだろう?」
「わかりました。でも、お母さまも結婚式をしたいと思います。エルシーも結婚式をしたいです」
後方から熱い視線を感じた。チラリとそこに目を向けると、パトリックがニヤニヤと口元を歪めながら立っていた。