攻略対象者に転生しましたが推しの親友枠におさまったので、彼の初恋を見守ることにします!
「同じバスに乗ってて亡くなっているなら、転生を理解出来なかったり、拒否したりする人は居ないと思いますけど。
 あの……貴方はどういった立場の方でしょうか。
 死後世界の転生担当者とか?」

「そうだね、転生担当者とか言うなら、その通りだけど。
 人類から見たら、神と呼ばれる類いかな」


 え、神!
 神、って? こんなに若いん?
 欧米人タイプやから、子供には見えないけど15、16くらいの未成年には見える!



 ピュアな天使が成長しました。
 そういうポジションだと思ってた!



 黙って目を見開いた柚希に、転生の神様は素敵な笑顔を見せた。


「いつもこの見た目じゃないよ。
 今日はこの気分だったから。
 昨日は白くて長い髭を生やしたジジイだったよ。
 オーハシさんがそっちの方が神らしくていいなら、今から見た目を変えようか」


 さすが、神様は口に出さなくても、柚希の思考を読んだようだ。
 だから、強く強く思ったし、口にも出した。


「いやいや、出来たらそのままで!
 ジジイよりも美少年でお願い致します!」と。



 次に目覚めた時には、『乙花』のグレンジャー・オルコットとして生まれていて。

 彼の前世だった大橋柚希は深い深い記憶の奥底に眠っていて。


 いつか目覚める時を。

 静かに待っていた。
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