Far away ~いつまでも、君を・・・~
男子上級の部の予選は、別の場所で進んでいた。京香が尚輝を追うように移動すると、やがて彩が姿を現した。
「お疲れ様でした。」
労う京香に
「ありがとう。なんとか恥はかかずに済んだかな。」
彩はホッとした表情を見せる。
「尚輝も言ってましたけど、彩さん、なんか高校の頃に戻ったみたいで、凄く格好良かったです。」
「そうかな。そう言ってもらえると嬉しいけど、年齢とブランクは正直だよ。自分の感覚としては全中なんだけど、実際はね。」
そう言って苦笑いした彩は
「でも・・・残念ながら、高校時代に戻ることは出来ないけど、思い出したことは、いくつかあったな。」
京香の顔を見ながら言う。
「戻ることは出来ないけど、忘れてたもの、失ったものはもちろん全部じゃないけど、思い出すことが出来る、取り戻すことが出来る。そんなことを考えながら、射ってた。」
「彩さん・・・。」
「たぶん尚輝は、それを伝えたくて、私を部活に迎え入れてくれて、そして今日の試合に誘ってくれたんだと改めて思ったよ。」
そんなことを話している2人の視線の先に、尚輝の姿が見えた。
「いい奴だね、京香ちゃんの彼氏。」
「えっ?」
尚輝に視線を送りながら、そんなことをポツンと呟いた彩の顔を、京香はハッと見る。
「始まるよ。」
すると、彩の声がして、京香は慌てて視線を前方に戻す。
「尚輝、試合に出るのいつ以来なんだろう?」
「大学卒業してから、初めてのはずです。教師って、なかなか自分の時間が取れないですから。」
「そうだよね。この何か月か、あなたや尚輝を見てて、つくづく思った。学校の、高校の先生って、ほんと大変な仕事だなって。」
「・・・。」
「なのに、アイツはたかが部活の1年先輩ってだけの私の為に、いろいろ心を砕いてくれて・・・。」
彩がそこまで言ったところで、試合開始の合図が掛かる。
「さ、一緒に応援しよう。」
「はい。」
彩の言葉に、京香は頷いた。
「お疲れ様でした。」
労う京香に
「ありがとう。なんとか恥はかかずに済んだかな。」
彩はホッとした表情を見せる。
「尚輝も言ってましたけど、彩さん、なんか高校の頃に戻ったみたいで、凄く格好良かったです。」
「そうかな。そう言ってもらえると嬉しいけど、年齢とブランクは正直だよ。自分の感覚としては全中なんだけど、実際はね。」
そう言って苦笑いした彩は
「でも・・・残念ながら、高校時代に戻ることは出来ないけど、思い出したことは、いくつかあったな。」
京香の顔を見ながら言う。
「戻ることは出来ないけど、忘れてたもの、失ったものはもちろん全部じゃないけど、思い出すことが出来る、取り戻すことが出来る。そんなことを考えながら、射ってた。」
「彩さん・・・。」
「たぶん尚輝は、それを伝えたくて、私を部活に迎え入れてくれて、そして今日の試合に誘ってくれたんだと改めて思ったよ。」
そんなことを話している2人の視線の先に、尚輝の姿が見えた。
「いい奴だね、京香ちゃんの彼氏。」
「えっ?」
尚輝に視線を送りながら、そんなことをポツンと呟いた彩の顔を、京香はハッと見る。
「始まるよ。」
すると、彩の声がして、京香は慌てて視線を前方に戻す。
「尚輝、試合に出るのいつ以来なんだろう?」
「大学卒業してから、初めてのはずです。教師って、なかなか自分の時間が取れないですから。」
「そうだよね。この何か月か、あなたや尚輝を見てて、つくづく思った。学校の、高校の先生って、ほんと大変な仕事だなって。」
「・・・。」
「なのに、アイツはたかが部活の1年先輩ってだけの私の為に、いろいろ心を砕いてくれて・・・。」
彩がそこまで言ったところで、試合開始の合図が掛かる。
「さ、一緒に応援しよう。」
「はい。」
彩の言葉に、京香は頷いた。