れんれんと恋するための30日


その驚きとは別に、蓮は幸のあまりの可愛さに声も出ない。
ツィンテールに結んだ髪が、そのビキニにとてもよく似合っていた。

でも、だめだ…
風邪をひいたら今日のイベントが台無しになる…

「幸…
めちゃくちゃ可愛くて、最高に似合ってるんだけど、でも、絶対に風邪ひくよ。
だから、これ着な」


蓮はメンズのラッシュガードを手渡した。


「大丈夫だよ。
全然寒くないからこのままで泳ぎたい」


「え~、ダメだって」


「大丈夫。早く行くよ」


幸は、蓮の腕に自分の腕を巻き付けて歩き出した。
蓮は周りを見回して、誰もいないことを確認する。
誰一人、幸の水着姿を見せたくない。

あ~、こんな状態で、俺は一日を乗り切れるのか…?

幸は勢いよく海に飛び込んだ。
蓮は浮き輪を持ってその後を追いかける。


「冷て~~~」


蓮はあまりの冷たさに叫んだ。
でも、幸はどんどん沖の方へ歩いていく。
蓮は浮き輪を幸の方へ投げ、自分は自慢の泳ぎで幸の前にあっという間に追いついた。


「寒くない?」


蓮はそう言いながら、後ろ向きの幸を抱きしめる。
幸は片手で浮き輪を持ちながら蓮にしがみついた。



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