れんれんと恋するための30日


放課後、福は漫研部に顔を出した。
道と幸の漫画の進み具合も知りたかったし、何よりも道と話がしたかった。


「幸、体育祭のリレーで倒れちゃったんだって?」


道はもう帰る準備をしている。


「そうなんだ。
恥ずかしいかぎり」


「ごめんね、僕は何も知らなくて。
さっき、拓巳に聞いたんだ」


「知らなかったの?」


福はあの出来事でかなりの有名人になっていたので、知らない道に逆に驚いてしまった。


「ごめん…
あの日、僕はフォークダンスを済ませたら家に帰った。
自分の出番はもうなかったからね」


福は透子と道が仲良く踊っているあの場面を思い出していた。


「透子さんは?」


福は何の気なしに聞いてみた。


「実は、透子とは、今、毎日会ってるよ」


福は心臓が跳ね上がった。
もしや、透子さんとミッチー、上手くいった??


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