れんれんと恋するための30日


「でも、勝手にバイト始めちゃったり、かけっこの選手になったりさ。

あ、幸、そういえば…
安藤拓巳って子とどういう関係なの?」


「あ、拓巳? どういう関係って?」


「彼氏とか?」


「あ、それはない。ただの友達だよ」


「向こうは、きっと、幸の事好きだよ。
幸は違うの?」


「ただの友達。
恋愛感情なんて全然ないから」


福は安心した。
福の蓮と恋人になるためのミッションはもう始まっている。


「福、私の体、好きに使っていいよ。
私は、福の物語を、映画を観るみたいに楽しむから」


「幸、ありがとう」


幸はこんな不思議な出来事が自分の身に起きていることが、いまだに信じられずにいた。
でも、福に会えた喜びは、何ものにも代えがたい最高の贈り物だ。


「幸、明日に備えて、何か言っておきたい事とかある?」


「あ、部活には顔を出してほしいことと、それと、かけっこ走るにしても、幸の体は運動不足で筋肉も体力も何にもないからね」


「え~、幸、昔は足が速かったじゃん」


「昔はね」


「それと、部活って何部なの?」


「それは…
 漫画研究部、よろしくね」



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