れんれんと恋するための30日
「…本当は、子供の頃から好きだったの」
「幸が? それとも福ちゃんが?」
幸の目が、一瞬泳いだ。
そういう小さな変化も、道は見逃さない。
「幸に決まってるじゃん。
だって、福はもうここにはいないんだから」
道はもうこれ以上追及するのは止めた。
道の直感が確かなら、ここにいるのは幸ではなく福に違いない。
「それより、ミッチーだって…」
道はまた手を止める。
「僕? ミッチーがどうした?」
福は道が自分の秘密に気づきかけている事を分かっていた。
だけど、福だって道に対して疑問はたくさんある。
「ミッチーと透子さんだって何かある。
だから、私にれんれんを奪えって言うんでしょ」
道は楽しそうに笑い、色っぽい目つきで福を見つめた。
「最近の幸は、男前でカッコいいな。
皆が聞きたくても聞けないことを普通に聞いてくる。
僕には何も隠すことなんてないよ。
透子は幼なじみで、僕の初恋の人」
福はそれで納得した。
「それはまだ進行形なの?
ミッチーの気持ち…」
道は鼻歌を歌って聞こえないふりをしている。