れんれんと恋するための30日
神様はこう言った。
“福、あなたの願いは、蓮と結ばれるためだけじゃない。
私にはそれが分かるから、こんな無謀な願いを受け入れたのです。
でも、蓮との恋を成就しないと、その大切な事も全てが水に流れます。
あなたの背負ったリスクはとても大きい。
それをちゃんと頭に入れておきなさい”
神様、きっと、蓮は透子さんと別れません…
福は大きな悲しみと絶望の中で、自分を見失っている。
「幸、私、れんれんと、きっと、つき合えない…
あと20日くらいしかないのに、絶対無理だよ」
幸はずっと福の事を見てきた。
道と透子の複雑な事情も、蓮が透子とつき合うようになった経緯も、福が引き出した大切な秘密を幸は福を通してずっと見てきた。
「私は、福に楽しんでもらいたい。
せっかくこの場所に居るんだから。
蓮とつき合う事が一番だとは思うけど、でも、他にも楽しい事はたくさんある。
それは、神様との約束に反する事なの?
神様が怒ったらどうなるの?
蓮とつき合うためにここに来たのだとして、でも、その目的を変えたら、福はどうなるの?」