憧れのヒーローはヤンキー?いや、私の王子様でした




泣きながら痛くもないパンチをし続ける彼女を見て思った。

どこがビッチだと。


王子様が迎えに来てくれるなんてお子ちゃまな考えを持ってるぐらい純粋で真っ白で…。
羨ましいくらいのバカ



やがて疲れて眠った彼女をソファに横にして涙でぐちゃぐちゃな顔を拭ってると、痛くもないパンチで殴られた胸が痛いはずないのに痛い。



きゅっ…と握り締められるような、苦しみを感じた。



その時は、この子の眩しさにあてられたんだと。

そう結論づけて、心臓が小さく音を立ててることには気づかないふりをした。



でもいつからだろうか…。
気づかないふりをしているつもりが、自然と独占欲が滲み始めて、諦めた。



…俺は最初から刺さってたんだ。

弱々しく俺を殴りながら痛みは感じなかったものの、胸には確実に一発ずつ刺さってた。



それに気づいてからは彩に会いに昼の時間に学校へ通った。
彩と過ごす時間は穏やかで、日々目まぐるしいものを見る俺にとって幸せな時間だった。


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