憧れのヒーローはヤンキー?いや、私の王子様でした






「こんにちは〜…。」


待ち望んでいた声じゃない、耳障りな声




「あのっ!私、彩ちゃんの親友の黒田加奈子と言います♡…彩ちゃん、彼氏ができたからもうここには来れないって言ってました!」


ずかずかと勝手に入って来て、ソファに座る俺の隣に勝手に座る女



「それで、…あの、私じゃ、ダメですか?」



気持ち悪い上目遣いに、ほとんどない谷間、頭がおかしくなるほど臭い香水



一瞬でこの教室内が穢れた。
ソファから立ち上がり、携帯を手に教室を出て行く。



「待って!私っ、満足させる自信あります!」

手を掴まれ胸を押しつけられる。



「…ゴミが入り込んだ。」

『…ん?何のこと?』

「侵入者」

『すぐ行く。』



ブツッと切れた電話

「私侵入者じゃないんです!私っ、遊蘭総長の安達理玖さんに抱かれに来たんです!」



すぅっと目が据わるのが分かる。


「私、たくさん奉仕します!理玖さんの犬にしてください!」



掴まれてる腕を雑に解き、小さな足音が聞こえる。


気持ち悪い言葉を並べる女を無視して車を呼ぶ。



「待ってくださいっ!」

「てめぇ!何触ってんだ!!」



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