私の人生を変えてくれた人  ~もし君が生きてたら~ 前編



香音………ごめんな


申し訳ないと思いつつも香音を床に押し倒した


それと同時に香音の両手を掴み床に抑えつけた


「香音………もうダメだよ………」

「…………………………」

「もう何も出来ないからさ………カッター離そう?」

「……………離して」

「嫌だ
 香音がカッター離してくれたら離してあげる」

香音の目をじっとみつめる

香音も俺を睨む

まぁ香音はそれしかできないもんな

俺が香音に馬乗りになってるから

暴れることすら難しい

「いいから離して」

「無理」

「……………雄斗は私にどうしてほしいの?」

「まずはカッターを離してほしい
 危ないから」

「なんで?」

「なんでって………香音切ろうとするじゃん」

「別にいいじゃん
 雄斗には関係ない」

「お前なぁ……………心配してるんだよ………
 香音が一人で抱え込まないか
 関係あるんだよ」

「…………さっき見捨てたくせに」

「……はっ?
 俺がいつお前を見捨てた?」

「………………………」

「香音、お前は誤解してる
 俺は香音を見捨てた覚えはない」

「……………見捨てた」

「香音…………一回カッター離して…?
 ちゃんと話そう?」

「………何でよ
 もういいの」

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