私の人生を変えてくれた人 ～もし君が生きてたら～ 前編

「何も良くない
　俺は誤解されたままなんて嫌だ」

「…………………………」

「だからカッター離せ
　少し落ち着こう」

「…………………じゃあ抱いて」

「…………はっ？
　香音………今何て……」

俺は耳を疑った

聞き間違い……だよな……？

「…………抱いて
　私のことを見捨ててないって言うなら」

「香音のことは見捨ててない
　けど、それとこれは違うだろ」

「………………やっぱり嫌いなんでしょ
　私のこと
　もういいからほっといて」

「香音！
　そんなんじゃないって！
　香音のことは好きだよ
　嫌いなわけないよ」

「言葉だけなら何とでも言えるよ
　そんなの信じられない」

「香音………どうしたら信じてくれるんだよ………」

「だから抱いてって言ってるじゃん」

「それは無理だよ………香音はまだ……高校生なんだよ…？」

「別に高校生がしちゃいけないなんて決まりないし」

「………………どうなっても知らないぞ
　香音が途中で嫌って言っても止まれないからな」