私の人生を変えてくれた人 ~もし君が生きてたら~ 前編
私は雄斗から話を聞いて少しずつあの時のことを思い出してきた
思い出したくないことと一緒に…………
雄斗でさえ…………あの男と……同じに見えて…………怖かった………
触れるのが………恐怖でしかなかった…………
あの時………必死に守ってくれたのは………お母さんだった……
そして………あの瞬間が来て………最後まで……守ってくれたんだ……
お母さん………何で私を……助けたの………
お母さん………会いたいよ………
私は手を首に当てた
そして………その手に力をこめた
………………苦しい…………けど………これで……お母さんに会える…………
ガラッ
「香音ちゃん!?」
次の瞬間、勢いよく扉が開いた
「何してるの!?
早くその手をどけて」
…………どうして…?
そんなの栗原先生には関係ない
「香音ちゃん!」
そして手を捕まれ、首から離れた
「ゲホッ…ゲホッ……」
「………………何してるの」
冷たい目でこちらを見つめてくる
「…………………何してるんだよ!」
………………っ!
ハァハァハァハァ………怖い………
先生の怒鳴り声が………あの男と重なった
「離して…!
触らないで…!!」
「………………」