私の人生を変えてくれた人  ~もし君が生きてたら~ 前編





私は雄斗から話を聞いて少しずつあの時のことを思い出してきた



思い出したくないことと一緒に…………




雄斗でさえ…………あの男と……同じに見えて…………怖かった………


触れるのが………恐怖でしかなかった…………


あの時………必死に守ってくれたのは………お母さんだった……



そして………あの瞬間が来て………最後まで……守ってくれたんだ……



お母さん………何で私を……助けたの………

お母さん………会いたいよ………


私は手を首に当てた




そして………その手に力をこめた



………………苦しい…………けど………これで……お母さんに会える…………






ガラッ

「香音ちゃん!?」

次の瞬間、勢いよく扉が開いた

「何してるの!?
 早くその手をどけて」

…………どうして…?
そんなの栗原先生には関係ない

「香音ちゃん!」

そして手を捕まれ、首から離れた

「ゲホッ…ゲホッ……」

「………………何してるの」

冷たい目でこちらを見つめてくる

「…………………何してるんだよ!」

………………っ!

ハァハァハァハァ………怖い………

先生の怒鳴り声が………あの男と重なった


「離して…!
 触らないで…!!」

「………………」

< 14 / 529 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop